発表番号IV-1
発表タイトル アドバンスド将棋で人はどうコンピュータを利用するか
筆者氏名・所属 伊藤 毅志 (電気通信大学)
アブストラクト 今年春に開催された将棋電王戦では、コンピュータ将棋は人間のプロ棋士に勝ち越し、コンピュータ将棋が人類を超える日も近い。すでにコンピュータが人間を超えているチェスの分野では、人間がコンピュータと相談しながら対局する「アドバンスドチェス」と呼ばれる対戦形式も試みられている。筆者は、十分に強くなったコンピュータ将棋を用いた「アドバンスド将棋」のイベントを企画し、コンピュータ将棋にも精通している二人のトップアマチュアにより高いパフォーマンスを示すためのコンピュータ将棋の利用方法について模索してもらった。その結果、ふたつの異なるタイプのコンピュータの利用方法が観察された。一つは、「コンピュータ将棋に人間が読みの勘所や大局観を教えることでより正確な指し手を実現する」という方法で、もう一つは「人間がコンピュータを用いることで、読みの精度を上げつつ違う発想からの指し手を考慮に加えて強くなる」という方法である。本研究では、それぞれの利用法を詳細に調べ、十分に知的なコンピュータと人間の新しい協調問題解決過程について考察していく。
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