HAIシンポジウム2021の予稿集公開にあたって

 COVID-19の流行開始から約一年,このウィルスとどのように向き合っていけばいいのか徐々にわかりつつありますが,本年の「HAIシンポジウム2021」も現地開催を見送るという決断をさせていただきました.しかしながら本年は「オンライン形式」での開催に向けた運営委員およびプログラム委員の先生方のご尽力により,ほぼ例年と同じようなプログラムを実現することができました.この場を借りて,心より御礼申し上げます.
 皆様におかれましても,この一年間は激動の一年間だったと推察されますが,そのような中でも例年よりも多い投稿をいただけたこと,本当にうれしく思います.おそらく「学会での議論に飢えている」方々が多いのではないでしょうか(参加人数も3/8現在で約240人という最高記録を更新しています).オンライン環境ではありますが,皆さんの議論が盛り上がるよう担当の委員の先生を中心に万全の準備をすることができました.この機会で思う存分議論いただけますと幸いです.
 私自身,この一年間を精一杯ポジティブに振り返ってみますと,「人同士の原初的なインタラクションが制限されるという世の中だからこそ,人とエージェントとのインタラクションを検討することに大きな意義がある」ということを再確認することができました.このような状況に着想を得た新たなHAI研究も多く誕生したのではないでしょうか.このような新たなHAI研究を発表できる場として,HAIシンポジウムはどのような社会情勢であっても粛々と開催し続けていく所存です.今後も皆さんの手で,HAI研究を盛り上げていきましょう.


2021年3月9日


小松 孝徳(HAIシンポジウム2021運営委員長)