発表番号G-16
発表タイトル SFの分析を用いた未来のエージェント像の検討
筆者氏名・所属 大澤 博隆(筑波大学、日本SF作家クラブ)
長谷 敏司(日本SF作家クラブ)
宮本 道人(筑波大学)
西條 玲奈(京都大学)
福地 健太郎(明治大学)
三宅 陽一郎(日本デジタルゲーム学会)
アブストラクト 我々は、人間と共存する将来のAIエージェントシステムの新しいビジョンを創造するため、SFにおけるAIエージェントの利用法を、プロのSF批評家および作家と共同で調査した。近年、発達する人工知能が仕事における人間の役割を奪う危険性が議論されており、その際に一部のSFが引用されることがある。しかし実際のSFにおいては、人間と衝突するだけでなく互いに補完する多くのエージェントシステムが提案されている。本研究では、これらの多様なSFの傾向を統計的に分析し、エージェント設計におけるアイデア源として用いることを提案する。本研究では、AIエージェントの多様性、AIエージェントの社会的側面、AIエージェントによる人間知能の拡張という3つの方針に基づき、AIと人間の関係を特徴的に記述する115のSF小説を、専門家の手を借りて選んだ。次に階層クラスター分析と主成分分析を用いて、SFにおけるAIの特性を表す11因子を分析した。その結果、AIエージェントには人間型、機械型、補助型、設備型の4つのタイプがあり、知能と人間らしさの2つの主要な次元があることが示唆された。筆者らはこの分析に基づいて、人‐エージェント相互作用に関する将来の設計のために注意すべきステレオタイプと、将来設計に参照可能なビジョンを検討する。
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