HAIシンポジウム2025開催にあたって
第19回となる本シンポジウムの会場である近畿大学東大阪キャンパスE館は,3年前の2022年4月における近畿大学15番目の新学部「情報学部(KDIX)」の開設(および私の着任)と同時に竣工した新しい建物です.この3年間で建物に変化はありませんが(多少の汚れはあるかも),本シンポジウムのテーマであるヒューマンエージェントインタラクションを取り巻く状況は生成AIの急激な普及で大きく様変わりしました.これまではWizard of Oz法によって人力で行うしかなかったような実験が本物の自律エージェントによって遂行されるようになり,チューリングテストという言葉が忘れ去られてしまう日がもうすぐやって来るのかもしれません.本シンポジウムの1か月後には万博が開催されます.ヒューマンエージェントインタラクションと関連の深いパビリオンもありますので(KDIX一期生がロボットの動きの制作に参加しています),ぜひ再び大阪に足を運んでいただければと思います.最後になりましたが,本シンポジウムは多数の運営委員,プログラム委員,協賛企業の方々のご協力によって成り立っております.この場を借りて感謝申し上げます.
2025年2月28日
中西 英之(HAIシンポジウム2025運営委員長)
対象分野
以下に示すような,HAIに関する理論的・実証的な研究/開発/応用事例:

- エージェント/ロボットとのインタラクション,相互適応,関係性
- エージェント/ロボットを介するコミュニケーション,身体的インタラクション
- エージェント/ロボットを含むヒューマンインタフェース
- エージェント/ロボットの身体性,外見,表情,ジェスチャー
- エージェント/ロボットにおける倫理,知能,意図,アニマシー知覚,エージェンシーの認知
- エージェント/ロボットを実現する要素技術,深層学習,音声合成/認識,ユーザ状態推定技術
- インタラクションを通して生成・実現される知能・適応・学習
- 認知科学,社会/発達/進化心理学,記号創発におけるHAI/ロボティクス
過去のプロシーディングス(こちら)もご参照ください.
招待講演
講演タイトル:『コンヴィヴィアリティのためのHAIデザイン』
岡田美智男(豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
講演概要:「相手のために!」との強い思いは、むしろ相手の主体性や創造性を奪ってしまうことも多い。これはサービスロボットや生成AIとのかかわりにも当てはまることだろう。本講演では、これまで検討してきた〈弱いロボット〉の概念をベースに、お互いの主体性、創造性を奪わない程度にゆるく依存しあう、自立共生的なかかわり(=コンヴィヴィアリティ)を志向するHAIデザイン手法(=コンヴィヴィアル・ロボティクス)について議論してみたい。
会場
近畿大学 東大阪キャンパス E館(情報学部 KDIX)