おかげさまで134名の参加者にお越しいただき,盛況のうちに終えることができました.

近年,擬人化エージェントがユーザインタフェースとして利用されたり,ペットロボットや掃除ロボットが一般家庭に普及するなど,エージェントやロボットが一般ユーザにとっても身近な存在になってきています.さらに,その役割も多様化し,エージェントやロボットが人間と協力して作業をしたり,人間同士のコミュニケーションを仲介するといった,人間社会をより豊かにする実用的なアプリケーションが生まれてきています.このような状況の中で,人間とエージェントやロボットが,どのように上手くつき合っていくのか,またそのためには,人間とエージェントとの間に,どのようなインタラクションを設計すればよいのかという新しい工学的課題が生まれています.

この課題に挑戦する研究開発領域であるHAI(Human-Agent Interaction)が,日本を中心に活発になってきています.過去8年間に開催されたHAIシンポジウムでは,延べ800名以上の参加者がこの新しい分野の研究について活発な議論を行いました.

今回のシンポジウムは,エンタテイメント・ロボット・フォーラム(ERF)と共催することになりました.このため,ERFと共同で,企業で行われている最新のHAI研究について紹介・議論する特別セッションを企画予定です.
また,本シンポジウムのコミュニティを母体として,今年度から,科学研究費新学術領域研究「認知的インタラクションデザイン学:意思疎通のモデル論的理解と人工物設計への応用」(領域代表:植田一博)が発足しました.そこで,この大型プロジェクトについて紹介する特別セッションも設置予定です.

対象分野

HAIに関する理論的・実証的研究,各種応用システム開発事例などを広く募集します.たとえば,以下のようなテーマが該当しますが,これに限定されるものではありません.

過去のプロシーディングス(こちら)もご参照ください.

HAI-2013 Outstanding Research Award/Impressive Poster Award授賞者のお知らせ

2013年12月のHAIシンポジウム2013では,以下のいずれかの点で優れた発表に対して,Outstanding Research AwardおよびImpressive Poster Awardを贈呈いたしました.

プログラム実行委員会による審査の結果,下記の研究に決定いたしました.おめでとうございます.

Outstanding Research Award:
ロボット‐子ども間の関係構築における手つなぎの影響
 日永田智絵*1,阿部香澄*1,長井隆行*1,下斗米貴之*2,大森隆司*2(*1 電気通信大学,*2 玉川大学)
Outstanding Research Award:
ロボットとの共同注視場面において注視対象の確認手続きが与える主観評価への影響
 金野武司*1,長滝祥司*2,柴田正良*3(*1 北陸先端科学技術大学院大学,*2 中京大学,*3 金沢大学)
Impressive Poster Award:
存在しないエージェントへの文脈による存在感の付与について
 尾関基行,高島愛理,前田真梨子,岡夏樹 (京都工芸繊維大学)
Impressive Poster Award:
ヒューマノイドロボットへの話しかけやすさの予測
 杉山貴昭,駒谷和範,佐藤理史(名古屋大学)