発表番号G-15
発表タイトル 缶蹴りにおける強化学習を通した集団の組織化とダイナミクスの分析
筆者氏名・所属 高田 亮介 (静岡大学)
坂本 孝丈 (静岡大学)
竹内 勇剛 (静岡大学)
アブストラクト 実世界に生きる生物が,環境や他者の情報を部分的にしか観測できない中でも環境や他者の変化に適応し,目的を達成できるのはなぜだろうか.本研究では,部分観測している環境や他者との相互作用が,観測していない環境や他者の状態やその変化を間接的に伝達しているという仮説の下で,このような限定的な情報の中でのインタラクションと集団ダイナミクスを分析し概観することを目的とする.題材として,部分観測ゲームである缶蹴り遊びを用いた.強化学習によるシミュレーションの結果,部分的な観測しかできない中で,缶蹴りのルールに基づいて組織化された集団としての性質が創発した.この結果より,他者の状態を直接観測できなくても,他者によって引き起こされるゲームの結果が共有されることで,目的を達成する振る舞いに適応可能であることが考えられる.本研究により,缶蹴りは社会に立脚して生きる実世界志向のインタラクションとそのダイナミクスについて議論するためのプラットフォームとなり得ることが示唆された.
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