2019年3月8日(金)・9日(土) 専修大学 生田キャンパス 2号館

招待講演

高野雅典
(株式会社サイバーエージェント)

人とWebサービスの相互作用:
ピグパーティ、AbemaTVがユーザと社会に与える影響

アブストラクト

Webサービスはユーザに利用されることを通じて人や社会に影響を与えうる。その影響を知ることはWebサービスが社会で受け入れ続けられるために必要である。本研究では「コンテンツがユーザに与える影響」と「Webサービスを介したユーザ間インタラクション」の2つの研究事例について紹介する。

前者はインターネットテレビ局 AbemaTVのニュース番組における「ユーザが投稿する差別的コメント」と「ニュースコンテンツ」の関連について「2種類の偏見(現代的レイシズムと古典的レイシズム)」という観点から分析したものである。その結果、ネガティブ偏見を持つ持つ人はコンテンツに関係なくレイシズムを表出する。一方でそのどちらを表出するかはニュース番組の内容に依存することがわかった。

後者はピグパーティというアバターチャットサービスにおけるユーザ間の「いじめの悩み」とそれに対する「ソーシャルサポート」を分析したものである。その結果、閉じた空間・友人との会話・アバターのジェスチャーや絵文字の利用が重要であることが示唆された。

略歴

2009年 名古屋大学大学院情報科学研究科博士課程修了.博士 (情報科学).システムインテグレータを経て,現在は株式会社サイバーエージェントに勤務.自社サービスの開発・運用に携わった後,現在は自社サービスのデータ分析と計算社会科学研究に従事.計算社会科学,複雑系,進化ゲーム,統計モデリングなどに興味.