2020年3月6日(金)・7日(土) 専修大学 生田キャンパス 2号館

運営委員長挨拶 小松孝徳(明治大学)

ヒューマン・エージェント・インラクションと名付けられた研究分野が立ち上がったのが,およそ今から20年前.ヒューマン・エージェント・インラクションを扱う国内会議であるHAIシンポジウムは今回で14回目,国際会議である ACM HAIは7回目の開催を数えています.これら一連の研究活動によって,ヒューマン・エージェント・インタラクションというキーワードは,科研費の細目業のキーワードとして登録されるなど,一般的な用語として定着しました.そして,この研究分野の立ち上げに尽力されてきた先生方を中心として6年前に科研費の大型プロジェクトである新学術領域研究「認知的インタラクションデザイン学」が開始し,そして昨年度にその幕を閉じました.

個人的な根拠のない印象で恐縮なのですが,今,ヒューマン・エージェント・インタラクション研究は,立ち上げから定着というフェーズが終わったある種のプラトーにあるのではと感じています.例えるならば,一代で会社を立ち上げ,その会社を大きくした社長が引退を決意し,さあ,これから二代目に会社を継ごうか,みたいなイメージです(注:HAI研究のファウンダーの皆さんに引退を迫っているわけではありません).では,ヒューマン・エージェント・インタラクション研究は,これからどこに向かうのでしょうか.このままの停滞が続くのか,衰退していくのか,それともここからまた新しい何かが興るのか.学術界を取り巻く環境は年々その厳しさを増してきており,短期間で実用的な成果が求められるという流れが定着してきています.そのような中でも,このヒューマン・エージェント・インタラクション研究分野は,(母体とする学会がないことをいいことに)「あやしい研究」をどんどんエンカレッジできる場であってほしいと願っています.

ともあれ,新学術領域研究が終わったというこのタイミングは,このプロジェクトによって,何が生み出され,何が達成され,そして何が未解決として残ったのか,という(偉い先生向けの総括ではなく)HAI研究者に向けた総括をする絶好の機会であると考え,今年度のシンポジウムでは「新学術まとめセッション」を企画する予定です.ここでの議論から,ヒューマン・エージェント・インタラクション研究の今後の方向性が見えてくることを期待しています.もちろん企画セッション以外にも,様々な研究発表が盛りだくさんの二日間です.ぜひとも皆様の積極的なご議論によって,多くの「あやしい研究」の芽をどんどん育てていきましょう.

対象分野

HAIに関する理論的・実証的研究,各種応用システム開発事例などを広く募集します.たとえば,以下のようなテーマが該当しますが,これに限定されるものではありません.

過去のプロシーディングス(こちら)もご参照ください.