【HAIシンポジウムアドバンスドオンライン】のプログラムを掲載しました
【現地開催の中止】 HAIシンポジウム2020における新型コロナウイルス(COVID-19)への対策について(第二報)
HAIシンポジウム2020の開催に向けて準備を進めて参りましたが,新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する中では参加者同士の交流を主目的とした本シンポジウムの開催は難しいとの判断に至り,現地開催を中止することとしました.投稿頂きました論文のプロシーディングスとのしての公開は予定通りとし,掲載論文の発表者全員を発表扱いといたします.また,オンラインで開催できる企画については現在検討中です.返金手続きなどの詳細情報については追って連絡いたします.HAIシンポジウム2020に発表申込,参加申込頂きました皆様には大変ご迷惑をおかけしますが,ご理解・ご協力くださいますようお願い申し上げます.
2020年2月24日
HAIシンポジウム2020運営委員長 小松孝徳
運営委員長挨拶 小松孝徳(明治大学)
ヒューマン・エージェント・インラクションと名付けられた研究分野が立ち上がったのが,およそ今から20年前.ヒューマン・エージェント・インラクションを扱う国内会議であるHAIシンポジウムは今回で14回目,国際会議である ACM HAIは7回目の開催を数えています.これら一連の研究活動によって,ヒューマン・エージェント・インタラクションというキーワードは,科研費の細目業のキーワードとして登録されるなど,一般的な用語として定着しました.そして,この研究分野の立ち上げに尽力されてきた先生方を中心として6年前に科研費の大型プロジェクトである新学術領域研究「認知的インタラクションデザイン学」が開始し,そして昨年度にその幕を閉じました.
個人的な根拠のない印象で恐縮なのですが,今,ヒューマン・エージェント・インタラクション研究は,立ち上げから定着というフェーズが終わったある種のプラトーにあるのではと感じています.例えるならば,一代で会社を立ち上げ,その会社を大きくした社長が引退を決意し,さあ,これから二代目に会社を継ごうか,みたいなイメージです(注:HAI研究のファウンダーの皆さんに引退を迫っているわけではありません).では,ヒューマン・エージェント・インタラクション研究は,これからどこに向かうのでしょうか.このままの停滞が続くのか,衰退していくのか,それともここからまた新しい何かが興るのか.学術界を取り巻く環境は年々その厳しさを増してきており,短期間で実用的な成果が求められるという流れが定着してきています.そのような中でも,このヒューマン・エージェント・インタラクション研究分野は,(母体とする学会がないことをいいことに)「あやしい研究」をどんどんエンカレッジできる場であってほしいと願っています.
ともあれ,新学術領域研究が終わったというこのタイミングは,このプロジェクトによって,何が生み出され,何が達成され,そして何が未解決として残ったのか,という(偉い先生向けの総括ではなく)HAI研究者に向けた総括をする絶好の機会であると考え,今年度のシンポジウムでは「新学術まとめセッション」を企画する予定です.ここでの議論から,ヒューマン・エージェント・インタラクション研究の今後の方向性が見えてくることを期待しています.もちろん企画セッション以外にも,様々な研究発表が盛りだくさんの二日間です.ぜひとも皆様の積極的なご議論によって,多くの「あやしい研究」の芽をどんどん育てていきましょう.
対象分野
HAIに関する理論的・実証的研究,各種応用システム開発事例などを広く募集します.たとえば,以下のようなテーマが該当しますが,これに限定されるものではありません.
- 人とインタラクションを行うエージェント/ロボットの設計・実現方法
- エージェント/ロボットを介した人同士のコミュニケーション
- エージェントによるヒューマンインタフェース
- 認知科学,社会心理学,進化心理学,発達心理学におけるHAI
- エージェント/ロボットの倫理
- 人とエージェント/ロボットの相互適応
- 適応・学習を可能にするインタラクションの設計
- エージェント/ロボットのアピアランス,表情,ジェスチャーの設計
- 意図,エージェンシーの認知,アニマシー知覚
- 人とエージェントの関係性
- エージェント/ロボットの身体性
- インタラクションを可能にする知能の解明と実現
- インタラクションを通して生まれる知能の解明と実現
- 認知発達ロボティクス
- 記号創発ロボティクス
- HAIの要素技術…ユーザ状態の推定/学習,エージェントの適応/学習,エージェントの音声合成/認識
- 人工知能技術,深層学習などを用いたエージェント/ロボットにおける知能の理解・設計およびインタラクションのデザイン
- CMC(Computer Mediated Communication)環境における身体的なインタラクション
- HAIの応用事例など
過去のプロシーディングス(こちら)もご参照ください.