発表番号 | 2B-4 |
発表タイトル | 「こっくりさん」の振る舞いの定量化 -self agencyの有無に応じた視線軌道の差異- |
筆者氏名・所属 |
高橋英之 (玉川大学脳科学研究所) 宮崎美智子 (玉川大学脳科学研究所) |
アブストラクト | こっくりさんとは,実際に自らが動かしているコインの動きの原因を他者に帰属する誤りであると言える.日常場面ではコックリさんのように,自らその動きを引き起こしているのにも関わらず,self agencyを感じられず,他のエージェントにその運動の原因を帰属してしまうことがしばしばある.我々はディスプレイ内蔵型の視線計測装置を用いて,被験者が注視したディスプレイの位置の黒い覆いが削れて後ろ側から絵があらわれるという課題(アイ・スクラッチ課題)を作成,この課題を行っている被験者の視線の動きを解析した.興味深いことに,視線と削れるという現象の間に明確な関係性があるにも関わらず,約半分の成人被験者はself agencyを抱けずに,受動的に削れていく黒い覆いを眺めていたと実験後に内省報告した.そして,self agencyを感じてディスプレイを削っている被験者と感じていない被験者の間で明らかな視線軌道の差異がみられた.このような指標はself agencyを客観的に定量化する指標となりうる. |
論文 | PDFファイル |